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第二弾キャンパスシティ座談会「APEC学生座談会」

第二弾キャンパスシティ座談会「APEC学生座談会」 第二弾キャンパスシティ座談会「APEC学生座談会」APECのお二人

APECってなんですか?

網谷 APECとは、アジア太平洋経済協力のことで、太平洋をはさんでアジアと北米、中南米が一緒になっている枠組みです。
経済を中心にして議論していますが、環境問題なども含んだり、とても守備範囲が広いんです。                 
今年のAPECで言うと、「チェンジ&アクション」という標語を掲げています。APECが世の中の変化に対応してどんな「変化」を必要としているかを話し合い、実際に「行動」に移していくという考えです。
今年のAPECのキーワードは21です。参加しているメンバーは21で、創設から21年目なんです。

自己紹介と海外経験について

―お話、ありがとうございました。皆さんいくつか質問があるようですが、自己紹介を含めてお願いします。

自己紹介と海外経験について           
木本 国際協力の活動をするS.A.Lという学生団体に入って、カンボジアやインドでプロジェクトなどを行っています。 また、インドネシアでの市民の暮らしがどうかということについて研究していて、とても成長しているけど、一部の層だけが成長して、残りの層が置いていかれているようです。ゼミでバリにも行ったのですが、そこでも都会と地方の格差を実感しました。
このことについて質問したいと思います。
インドネシアでは農業をしている人が多いのですが、そういった人たちを守るために、これまで関税をかけて、外国農産物が入ってこないようにしてきたと思うんです。
APECが進める自由貿易により関税を下げたときに、農業の方々をどのように
フォローしていくのでしょうか?
網谷全体として皆に得になるはずの自由貿易によって良くない影響を受ける産業とかを、どうやってバランス良く手当てするかという問題ですね。これはインドネシアという国、あるいは、農業という分野に限らない課題ですね。
西川今年のAPECで議論されている「成長戦略」では、これまで自由貿易の恩恵が必ずしも行き渡って来なかったと考えられるような範囲も含めて全員が「成長を実感できるようにしましょう」ということを話し合っています。
山内木本さんと同じ、S.A.Lに所属して国際協力を行っています。小さい頃、父の仕事の関係で、香港に住んでいましたが、港湾関係の荷物施設の充実を見て、そのような一点集中的なところがあって成長していくんだなあと思いました。今後、日本はどういったことで国内を変えていくのでしょうか。また、どのように海外につなげていくんですか。
網谷香港は特別行政区という特色も活かして戦略を持って行動していることはあると思いますが、APECの中では、そういった上手くいっている取り組みについて、「ベストプラクティス」として、みんなで共有する仕組みがあります。したがって、香港のよいところを、日本も学ぶことができるんです。
中原大学でフリーペーパーを作っていまして、実際に取材・編集して学内で配布しています。NGO等の非営利団体や就職関係の方に取材して、お話を聞いたりしています。小さいころに、ニューヨークにいたことがありますが、子どもながらに外国はすごいなと思いました。
秦野今年の3月に、観光でベトナムに行きました。今、ベトナムは新興国と言われていますが、私の行ったハノイでは、みんな働かないんです。道路のわきにさまざまななお店が立ち並んでいるんですが、みなさん一日中寝ていたり会話していたり(笑)政府レベルでは新興国として活発ですが、国民は意識を持って日々の生活を送っているのでしょうか。また、協力する際にはどうやって協力するんでしょうか。
西川この前、ハノイに出張して、現地企業の方とお話しする機会がありました。政府が法や制度を整備しても、それらが確実に浸透し、実施されている訳ではない場面もまだ見られると聞きました。政府の方でも、企業が提出する貿易関係の書類内容に関して、窓口の担当者によって解釈と指示が変わる、といったことが実際にあったようです。なので、そういった部分について、APECで取組が進んでいる国や地域が、「こういう取組や制度はこう実行すると効果的だよ」と成功事例を示していくことが重要なんですね。そういうときにAPECはとても役に立っています。
網谷道ばたで座っている方については、職がなくそういうスタイルなのか。日本でも見かけなくはない光景ですよね。一日中寝たり会話したりして過ごすライフスタイル自体は、悪くないという見方もありますよね。
廣瀬国際学生ネットワークINUSという学生団体に所属しておりインドの学生と気候変動についてTV会議をしています。高校の時に1年間イギリスに留学して、大学に入ってからは、2009年12月にデンマークで開催されたCOP15にユースとして参加しました。私は、「世界の貧困をなくしたい」という問題意識で勉強しています。特に興味のある金融に関連して、バーチャルな経済が大きくなってしまっている現状を踏まえて、APECはどんなことを考えているんですか。また、金融危機を防ぐためにはどうしたらよいでしょうか。
網谷 とてもでっかいテーマですね。金融危機の際のAPECの取組として重要なのは、景気が悪いからと閉鎖的な気持ちになり、自分の国や地域だけが儲かればいいと考える保護主義に陥らないよう、こういう時だからこそ自由な貿易をしましょうとメッセージを発することです。金融危機を防ぐための万能薬は必ずしもみつかっていないかも知れませんが、解答が見つからない難しい問題があるときにこそ、APECのように、常に前向きに、皆で何が一緒にできるかを話し合うフォーラムは世界に対して重要な役割を果たしているのではないでしょうか。
自己紹介と海外経験について
石川智深館という堅い名前の団体に入っています。活動内容としては、経営か政策から選んで、課題の設定をして目標を決めて、その目標に向かってプロジェクトを進めていきます。海外経験としては、先週まで、半年間アメリカに語学留学していました。そこで気づいたのが、自分はビールが好きなんですが、日本に比べてアメリカは本当にお酒の種類が多いんですけど、日本酒が高かったんです。これが、関税なんでしょうか。
網谷アメリカの関税についての個別のデータは持ち合わせていないのですが、私も同じ認識でいます。私自身、アメリカのワシントンのバーに行ったときに、400もビールがあって、それだけ飲めるのは自由なビールの行き来のおかげで、基本的には「自由貿易ありがとう」と身に染みて分かったものです。ただ、焼酎がなかなかアメリカで手に入らなかったということについては、何とかしないといけないと思っています(笑)。
田邉高校1年の時に、国連の本会議場で、高校生が集まる気候変動に関する学生会議に参加しました。それがきっかけで環境問題について興味をもつようになり、今は環境政策について勉強しています。環境について、APECではどんなことを扱っていますか。
西川APECでは、環境問題においても、たとえば具体的な数値を決めて二酸化炭素を何%減らしましょうといった交渉はしないんです。では何をしているのか、ということでビジネスに関連した話で言えば、例えば、「日本で申請を出して、環境への負荷が少ないと認められた省エネ家電やエコ家電については、他の国や地域で同じような申請を繰り返す必要がない」というように、将来的に、各国と地域の省エネ基準や試験制度などを調和することができれば、省エネ家電、エコ家電の貿易が進んでいき、ビジネスの円滑化にも環境問題の改善にもつながりますよね。APECでは、このように“環境と経済の両立”に向けて前向きに取り組んでいます。
熊谷広告研究会入っていて、ミスコンを主催しています。海外経験はありません。経済の回転を止めずに良いことをしているんだなと思いましたが、APECはどれだけ権限があるんでしょうか。
網谷会議で決められたことが、どれくらい意味を持つのかということについて、APECの基本的性格はノンバインディング。つまりは、法的な意味では拘束できません。でも、“言いっ放し”ではなく、実際の行動に繋げていくために、一定の期間における共通の目標を掲げたりしています。例えば「エネルギー効率を何%良くする」ということを決めています。違う視点から見ると、みんなで決めた目標というのは、納得して、コンセンサスを得て決めているんですね。納得しないのであれば、その目標に入る必要はないんですから。その意味で、APECはみんなできちんと取り組んでいます。

どうすれば日本経済はよくなるだろう?

―APECに携わっているお二人、ありがとうございました。では、ここから学生だけで日本経済について語って頂きます。

座談会の模様
石川現在の社会の中心である、おじいちゃんやおばあちゃんにお金を使ってもらうビジネスを展開することが、日本の景気を上げることになるんじゃない?
田邊私の所属している経済地理ゼミの先生は、“EUという枠の中では、低開発な地域の経済が良くなることによって、その市場が大きくなって、他の地域との貿易が進んで、地域全体が豊かになる”って言ってた。
熊谷だけど、自由な貿易が進んでしまった場合、例えば、バナナを作っていたフィリピンが、技術協力によって、安いパソコンを作れるようになったとしたら、高い日本製のパソコンはフィリピンでは売れなくならない?
田邊そこは、日本のクオリティーやメイドインジャパンっていうのが大事になるんじゃないかな?
秦野輸出する相手の国のニーズに合わせることも大切だと思う。
木本技術がある国や地域はいいけど、私が見てきた東南アジアの国々は、恵まれなかったというか、技術を持つチャンスもなかったから、南北問題が起こってしまっているんだなって思った。
山内APECを通して、経済が自由化された場合には、ケースバイケースになると思うけど・・・、例えば、日本とインドネシアのケースだったら、日本は自動車を輸出して、石油を輸入している一方で、インドネシアとしては石油を輸出して、安い自動車が入ってくると考えれば、ウィンウィンな関係になるんじゃない?それぞれの国が何に強みをおいているのかが重要で、それがぐるぐる回ればいいと思う。
秦野「強み」だったら、人口増加や環境問題は、この先重要になってくるんじゃない?。中国も今後、人口が減ってくると思うし、日本の少子高齢化に対するアプローチが成功すれば、中国にも伝えることができるしね。環境問題についても日本は強みを持っていると思うし。そういったところでアプローチして、新しい産業を作り出すことも可能だと思うよ。
廣瀬新しい産業としては、日本の環境技術が高いと言われているけど、少子化に関連して、その技術について継承者の問題にもなっているんだよね。いかに技術を伝え続けていくかということが大事。グローバル化した経済の中で、外国企業が東京に入ってこないという話を聞いたことがあるんだけど、大きな理由として、「東京では英語が通じない」からじゃないかなって思ってる。僕は、自由貿易というサイクルの中で、日本が取り残されてしまうんじゃないかっていう懸念を抱いてる。
田邊社内で公用語を英語にしている会社があるよね?
石川これって賛成? 一番はやっている英語は、「これは重要な話なので日本語で話していいですか。」というフレーズみたいだよ(笑)。
山内話が変わるんだけど、内閣府が2週間くらい前に出した調査で、海外駐在をしたいかっていう若者に対する意識調査があって、最近よくいわれているのは、「新入社員が海外に駐在したがらない」らしいよ。40%以上の若者が行きたがらないという統計も出ているらしい。新しい環境技術を広めていこうってなったときに、日本人が技術を持って出ていかなくちゃダメだよね。今日の座談会のみんなは関係ないと思うけど、言葉の壁とかも怖く感じるところもある?海外に苦手意識がある若者はかなりネックになってくると思うな。
廣瀬自分自身留学したとき、日本人の英語力の低さは感じた。大学生になって国際的な場面で、日本人のプレゼンを聞く機会も多いけど、友人と話していたのが「プレゼン力がないな」って。せっかく日本人はいいものを持っているのに、国民性や文化の壁とかで、海外に出て行けないのは、なかなか大きな壁なのかなって思った。
田邊社内の公用語の話に戻るけど、大学の先生が話していたのは、これはトップからのメッセージなんだと。これから自由貿易が進んで、市場は海外に開かれて、廣瀬さんが言っていたように、「グローバル化に取り残されないために努力が必要だ」というメッセージなのかなと思った。学生も英語力を高めていく必要があるんじゃないかな。
石川日本の景気をよくするためには、英語が必要なツールになってくるのかな?
田邊ヨーロッパに関しては、言葉の壁は非常に低いものなのかな?英語圏に近くて、文化背景も近いから、EUみたいな経済統合もしやすいんじゃない?
石川もし、コミュニケーションの問題が解消されれば、EUみたいになれるのかな?
山内EUの出発点はフランスとドイツだったはずだよ。フランスは農業、ドイツは工業っていうところがあって、「農業と工業の結婚」と言われたり。お互いの国を補える要素があって、フランスとドイツの間にある石炭を共同で運営して活用していこうというのがあって、うまくいったんだろうね。
石川中国と日本を見てみると、GDPが同じになったみたいだけど、20年、30年たつと中国が日本の4倍、5倍とかになって、もっと言えば、ドイツとベルギー、アメリカとカナダみたいな10対1くらいの関係になってしまうのかもしれない。日本は、今後、GDPが高い国の隣にある国が参考になるんじゃないかな。まぁ、そういった国には、それぞれオンリーワンになる産業があるよね。

APECを詳しく知って認識はどう変わりましたか?

APECを詳しく知って認識はどう変わりましたか?
熊谷大きなビジョンとして、共通貨幣を導入しよう!「アペ」とか(笑)。
田邊国際学生ネットワークという名前の団体に入っているので、APECがネットワークのように、私もネットワークを大事にしていきたいって思う。あと、APECに参加している国や地域の経済的な格差を是正することができる成長戦略によって、行動してほしいなって思います。
石川APECはアジアのことだと思っていたけど、ロシアとかオーストラリアとかメキシコも入っていることに気づきました。実際の経済地理という観点では、APECの地域は近いということに気付かされました。
廣瀬 APECが横浜で行われることは知っていたけど、今回、色んな知識を吸収できて貴重な機会でした。メッセージとしては、日本に議長としてリーダーシップを取ってほしいです。
秦野APECには、法的な拘束がないから具体的な政策に取り組めないなと思っていたけどだからこそ、共通目標を持って実現するという重要性に気づきました。G8サミットとかのほうがメインに思われているけど私たちのサークルの中で、もっとAPECについて取り上げていきたいと思いました。
中原APECっていうと、「自由な貿易」とか、すごくあいまいな感じだったけど逆に、それがノンバインディング(非拘束的)というAPECの強みになっているのだと思いました。
山内自由貿易という部分で突き進んでいくAPECは経済の突破口として重要な存在だと思いました。ただ、たとえば、知的財産については「守っていく」等の保障を付けた形のAPEC、セーフティネットの役割を果たすAPECを構築していくことが大事だと思いました。
木本せっかく日本で開催されるのだから、国全体でもっと盛り上げていけたらいいなと思います。国際問題について関心があるから、APECは重要な会議だと思うので、いろんな視点で見ることが出来ればいいなって思います。