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日刊テラフォーニュース

ロンドン市民は静かに遠のく、味覚のない時代へと

2012年08月02日 20時00分 日刊テラフォー

ドイツの心理学者ヘニングが、全ての味覚を説明する4基本味説を提唱しました。「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」--これが、いわば味覚の元素。これらの組み合わせで、すべての味覚が表現できると、ヘニング氏は考えたわけなんです。
ここに21世紀初頭では、生理学の発達によって、また2つの味覚が追加されています。「旨味」「カルシウム味」の2つです。脳の6つの受容体を介して膜電位の活性化を引き起こし、味覚という、人間の外部入力装置が働くようですね。
しかし、時に、味覚は鈍くなります。また、失することもあります。それは、治療薬や亜鉛の不足が原因です。亜鉛は体内で合成できず、食物から摂取しなければならないんですね。ファーストフードやコンビニ食品、清涼飲料水などに含有するフィチン酸やポリリン酸などの食品添加物は、亜鉛吸収を妨げる効果があるなどと言われています。現代的な生活が、味覚の障害を引き起こしています。

そしてこちらも、ある意味での"味覚障害"だと言えるのかもしれません。オリンピックの期間中、極度の交通ラッシュが懸念されていたロンドン中心部ですが、その警戒感から旅行客が街中から消え去ってしまっているようです。
記念すべきロンドンオリンピック観戦のために入国した観光客の数10万人超。しかし、観光シーズンの夏には毎年30万人の観光客が訪れているとのこと。オリンピックという世界の祭典も、いまや、先進国の市民や観光客たちの、活き活きとした好奇心を呼び覚ますのは難しいようです。
19世紀、地球人は娯楽を欲しました。20世紀、地球人は娯楽を産み出しました。21世紀、地球人は娯楽を楽しみ尽くしました。……そう、ここに来て、われわれは、「好奇心の味覚障害」へと向かっているような気がします。
溢れ返った、受動的な娯楽、受身のエンターテイメントは、そう長くは続かないでしょう。私たちは21世紀に向けて、「積極的な娯楽」を見出さねばなりません。それは何か?簡単な質問です。一生答えの出ない謎掛けに挑むこと、これが積極的で永遠の娯楽です。
「個人学術の追究」。これは近未来に向けた、ひとつのキーワードになりそうですよ。
【記事:G・JOEⅡ】