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日刊テラフォーニュース

英国遺跡「ネス・オブ・ブロッガー」、七不思議並みの存在感

2012年01月31日 10時00分 日刊テラフォー

●G・JoeⅡはかく語りき

この地球には古代ギリシャ時代における七つの興味深い建造物が遺されている。ギザの大ピラミッド、バビロンの空中庭園、エフェソスのアルテミス神殿、オリンピアのゼウス像、ハリカルナッソスのマウソロス霊廟、ロードス島の巨像、そしてアレクサンドリアの大灯台である。このうち現存しているのは冒頭のミラミッドのみだ。
本来の意味は「世界で見るべき7つの景観」というニュアンスであったが、そこは商魂逞しいあざとい商売人が考えそうな表現で、現代では「世界の七不思議(Seven Wonder of the World)」と紹介される事が多い。
現代では、中国の万里の長城・インドの廟堂タージ・マハル・イタリア・ローマの古代競技場コロッセオ、ブラジル・リオ・デ・ジャネイロのコルコバードのキリスト像などが七不思議に選定されており、更にここには200箇所以上のな候補が軒を連ねているとか。この世は不思議だらけなのだ。
さて、英国北部の島で石器時代の儀式用建造物群が発見されたという。今回の発見については「ナショナル ジオグラフィック」誌に掲載される予定。2002年に発見されていたスコットランドのオークニー諸島・メインランド島の遺跡「ネス・オブ・ブロッガー」を放射性炭素年代測定する事で明らかとなった。
研究の主任者であるオークニー考古学研究センターのニック・カード氏は、木の燃えかすを判定した結果、この遺跡群が紀元前3200年ごろのものであり、巨大な壁に囲まれた空間に100近い建造物が築かれていただろうと語っている。
英国の石器群と言えば、天文学的に見事に計算された古代石器群ストーンヘンジが有名であるが、今回の遺跡群は更に500年ほど前に遡ることになる。
長さ25メートルの建物は厚さ5メートルの外壁を持った神殿の跡があり、食器棚や宴会の跡があり、幾何学模様があり、カラフルな塗装跡があり、化粧の跡があり…と、ネス。・オブ・ブロッガーは文化史の宝庫。今から5000年以上も前の人間たちの歴史が、ここにほのかな形でふわりと浮かび上がってくる。
Time and tide wait for no man――"時と海の流れは何人をも待つ事はない"と、英国の諺は語っている。脈々と受け継がれてきた地球人の歴史の胎動が、今も静かに、世界各地で眠っているのだ。考古学は未来への架け橋。「不思議な観光地」とでも銘打たなければ見向いてくれない商業的な現代だけれど、いつかじっくり、こうした学問を存分に追究出来るような時代が来たらいいな。
【記事:G・JOEⅡ】